産業廃棄物の排出事業者は誰?責任や委託業者の選び方を解説|廃棄物|横浜市・川崎市内の廃棄物回収といえば日本ビソー
産業廃棄物を発生させた事業者、産業廃棄物の運搬を行う事業者、産業廃棄物の処分を行う事業者のうち「産業廃棄物の排出事業者」は誰なのかというと、前者の「産業廃棄物を発生させた事業者」となります。排出事業者は、法律で定められた責任のもと、廃棄物を適切に処理しなければなりません。これに違反した場合は、5年以下の懲役や1,000万円以下の罰金に科される可能性があります。
本記事では、産業廃棄物の排出事業者の責任や委託業者の選び方などを解説します。
目次
【排出事業者とは?】
事業活動に伴い、ゴミを排出した(発生させた)事業者を「排出事業者」といいます。排出事業者は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)によって、自らの責任において適切に廃棄物を処理することが義務付けられています。同法の11条では、事業者は自ら産業廃棄物を処理しなければならないと定めています。これを「排出事業者責任」といいます。
・排出事業者の責任
自らの責任で廃棄物を適切に処理しなければならないとはいえ、自社が出したゴミを処理をするため、都道府県から許認可を取得して処分場などを建設するのは現実的ではありません。そのため、排出事業者は、廃棄物の処理を他の事業者に委託することが認められています。
しかし、排出業者自身に廃棄物の処理責任があることに変わりはありません。他の事業者に委託する場合も、廃棄物が最終的に処分されるまでの一連の処理を適正に行うため、適切な措置を取る必要があります。
【産業廃棄物排出事業者の責務】
排出事業者の責務は、次の3つに大別されます。
1.廃棄物の処理
排出事業者は、産業廃棄物の収集や処分を委託するにあたって、飛散・流出しないように留意しなければなりません。また、悪臭等による生活環境の保全上、支障が生じないように注意する必要があります。
2.廃棄物の保管
排出事業者として廃棄物を保管する場合、保管期間を定める法令はありませんが、廃棄物を長期間保管する場合には、悪臭や火災の原因となりますので、適切な保管が求められます。保管する際には、周囲に囲いを設け、見やすい場所に必要事項が記載された掲示板を設けなければなりません。その他、衛生面にも配慮した管理が求められます。
3.委託基準の遵守
産業廃棄物の運搬や処分を第三者の事業者に委託する場合は、次の3つを遵守する必要があります。
1.産業廃棄物の運搬委託の際は、収集運搬の許可等を有し、委託する産業廃棄物がその許可品目の中に含まれていること
2.産業廃棄物の処分委託の際は、処分の許可等を有し、委託する産業廃棄物がその許可品目の中に含まれていること
3.法律で定められた内容の契約書で契約すること
【廃棄物の処理を委託する流れ】
上述のとおり、廃棄物処理を第三者の事業者に委託する場合も、処理責任を放棄できるわけではありません。委託先の事業者が不法投棄など不適正な処理をした場合、排出事業者側の責任も問われます。従って、次の流れに沿って適切に廃棄物の処分を委託することが大切です。
1.廃棄物の分別保管
廃棄物を処分するまでは、排出事業者の責任のもと分別し、適切に管理しなければなりません。
2.許可証の確認
廃棄物を運搬・処分するには、都道府県知事や政令市からの許可が必要です。次の許可を得ている事業者か確認したうえで委託するようにしましょう。
・廃棄物の「運搬」に必要な許可
「廃棄物の発生場所」と「廃棄物の持ち込み先」の両方の区域を管轄する都道府県知事の許可
※例えば、埼玉県で発生する産業廃棄物を神奈川県の処分場まで運搬して処分する場合は、「埼玉県」と「神奈川県」の産業廃棄物運搬業の許可が必要です。通過する「東京都」の許可は不要です。
・廃棄物の「処分」に必要な許可
「中間処理施設」のある都道府県の「処分業」の許可
・特殊な廃棄物を扱う場合の許可
以下が含有する廃棄物を処分するには特別管理産業廃棄物に関する許可が必要
- 石綿
- 水銀
- PCB
- 引火性廃油
- 強酸、強アルカリ性の廃液
- その他有害物を含む廃棄物
3.委託契約
廃棄物処理を委託する際は、許可を得ているか確認したうえで契約するようにしましょう。委託契約は、法令に定められた事項を含む契約を書面(電子契約も可能です)で締結しなければなりません。
4.「マニフェスト」の作成と引き渡し
マニフェストとは、産業廃棄物の管理票を指します。
廃棄物処理業者は、マニフェストの交付を受けずに産業廃棄物の引き渡しを受けることはできません。排出事業者は、マニフェストを廃棄物の種類・運搬先ごとに作成・交付したうえで処分先も明確にしておく必要があります。マニフェストは、発行してから5年間保存することが法律で義務付けられています。マニフェストは、紙に加え、電子で発行・使用することも可能です。
マニフェストについては過去の記事にも記載しておりますので、ご参照下さい。
5.処分の確認
引き渡した廃棄物が適切に処分されたかを確認するまでが、排出事業者の責任です。収集運搬業者とともに中間処理業者、最終処分業者からマニフェストの写しの交付を受け、委託した廃棄物が適切に運搬・処理されたか確認します。
また、可能であれば廃棄物処理業者が適切な処理を行っているか実地確認を行うことをオススメします。
※自治体によっては実地確認を条例で義務化している場合があります。
【産業廃棄物処理業者を選ぶときのポイント】
ここまで再三申し上げてきたとおり、産業廃棄物の適切な管理・運搬・処理は排出事業者の義務です。廃棄を第三者の事業者に委託することは可能ですが、不法投棄など、法律を遵守しない形で運搬・管理・処分されるようなことが無いよう、次のポイントに気をつけて産業廃棄物処理業者を選びましょう。
・許可・認証の有無
まず大前提となるのが、許可・認証の有無の確認です。必要な許可を得ているか?許可の期限は切れていないか?を、必ず確認してください。許可業者か確認するには、環境省や各自治体のサイトも活用しましょう。
●環境省「産業廃棄物処理業者の情報」
●神奈川県「産業廃棄物処理業者名簿」
・処理品目や処理能力
産業廃棄物の許可を得た業者であっても、特定の廃棄物は処分できない場合もあります。処分する廃棄物の種類・容量・状況に応じて、適切な処理業者を選ぶことも大切です。
・信頼と実績
産業廃棄物の適切な処理をするためには、しっかりとした管理体制が構築できている処理業者を選定する必要があります。安心して委託できる処理業者は、許可証をはじめ対応可能な廃棄物や対応エリア、これまでの実績などを公開しているものです。このような情報も、業者を選ぶうえで比較対象としましょう。
・費用
廃棄物を適切に管理・運搬・処分してくれるという部分は、言ってみれば絶対条件です(不適切な処理は法違反になります)。加えて気になるのは、費用面なのではないでしょうか。
適切な処理費用のなかでコストをできるだけ抑えるには、複数の処理業者から見積もりを取ることが効果的です。ただし、この場合も費用の安さだけで選ばず、上記で挙げた要素も必ず確認するようにしましょう。
【まとめ】
本記事では、産業廃棄物排出事業者の責任や廃棄を委託する場合の注意点を解説しました。ポイントは、たとえ委託したとしても、その責任は排出事業者にあるということです。産業廃棄物の廃棄を丸投げできるかではなく「共に責任持って廃棄してくれる業者」であるかどうか見極めたうえで委託するようにしましょう。
横浜市・川崎市の産業廃棄物の処理は、日本ビソーにお任せください。法令遵守はもちろんのこと、ご依頼いただいた企業様のご負担をできる限り軽減し、ご意向に沿った回収・管理・運搬・処理をさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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